
2006年12月
福井では今「食育」が盛んです。小浜市はいち早く食のまちづくりに取り組んでいますし、福井市でも「エンジョイ!食育フェア」「食育を考えるフォーラム」などのイベントや「全国学校給食研究協議大会」などが開催されました。
食育基本法は、平成17年に成立したものですが、「食べる」と言う人間の本能的なことを法律で決めるのはいかがなものか、と個人的にはあまり感心しませんでした。しかし、今は「食」について考えるいい機会になり、よかったかもしれないと感じています。
何よりも、食育の祖は、1851年に福井に生まれ、医師・薬剤師として活躍した石塚左玄と言う方で(最近、岩佐勢市氏の講演で知りました)、百年も前に「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にある」と言うように「食育」と言う言葉を初めて使ったと言われています。
さらに、福井県は長寿県でもあり、昨年の合計特殊出生率が唯一前年に比べ上昇した県でもあります。こうした「食育」とも関係のある点を考えると、福井県が食育の主役になる土壌はそろっています。実際、先に発表された「食育白書」では、いくつかの例として紹介され「先進地福井」を印象づける内容になっています(11月25日)。
「食育」と言うと地産地消や安心安全と言うだけでなく、本紙の「ふくい発・食育宣言」の服部幸應氏の記事(6月21日)に、注目すべきことが書かれていました。 ひとつには、「どんなものを食べると安全、健康なのかという情報をきちんと伝えてあげること」です。 ご存知のように「食」という字は「人」に「良」いと書きます。人の心も身体もよくなるように育むのが「食育」につながっていくのでしょう。
日本は、世界一の長寿国になりましたが、一方で晩年を寝たきり状態で過ごす期間も世界で一番長いそうです。これからは健康に長寿をのばして生涯現役でいると言うのが重要です。そのために「選食力」を身につけることは大切でしょう。
もうひとつは、「食に対する食料問題や環境問題を考えると言う事」です。
日本の穀物自給率が低い事は周知のところですが、にもかかわらず残飯量は世界一とも言われています。世界では毎日35,000人もの人が食べられなくて亡くなっているのに!です。日本は人口減少と高付加価値化で、より安全なものや自分の身体にいいものを選ぶような余裕もありますが、世界的には、人口増加から選ぶ余裕もなく深刻な穀物不足の時代になりつつあります。
食育基本法の計画目標では、学校給食での地元食材率30%と言う目標もあり、確かに「地産地消」は私も大賛成です。しかし、福井のいいものを地元で使うのはもちろんの事、より外への発信も重要な課題です。むしろ県民が苦手とするのは、「地産『外』消」ではないでしょうか?いいものは食物だけでなく技術も含めて、グローバル的に考えて、世界的に情報発信して、「先進地福井」の心意気を示したいものです。